下川裕治著「週末ちょっとディープなタイ旅」朝日文庫

定期的に刊行されている下川裕治著の「週末」シリーズの2度目のタイを扱った本が、この「週末ちょっとディープなタイ旅」である。タイを扱うのが2度目ということもあり、週末で楽しむ海外旅行のエッセイというよりは、タイの文化へのディープな考察や、国民性などを取り扱っている内容になっている。最初からタイ料理とタイ中華料理の違いを語るなど、面白いのだがディープだな、と思わせる内容である。また、プミポン国王の死去とそれにまつわるタイ人の行動についても、1章まるまる割いて書き記すなど、旅行とはちょっと関係なくなっている箇所もある。後半には、タイから行けるラオスについても書いていて、単なるタイについての本から、ちょっと逸脱している部分もあり、タイに関心ある方には面白いだろうが、タイに行ったことのない人には、手に取るべき本か、少し疑問も残る感じはする。この本を取る人は、既に下川裕治の本は何冊か読んでいるだろうから、ファンの人には慣れた内容だとは思う。

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