イアン・ネイサン著、阿部清美訳「クリストファー・ノーラン 時間と映像の奇術師」フィルムアート社

ハリウッドで新作が公開されるたびに反響を巻き起こす映画監督クリストファー・ノーラン。そのノーランが監督した作品について詳しい制作舞台裏や作品批評、解説を詳細に記述した本が、この「クリストファー・ノーラン 時間と映像の奇術師」である。

この本の発売を知ったのは発売日の前日に今は名前の変わってしまったTwitterでの発売告知だったが、その時点でネット書店に予約入れるとすでに在庫の残り少ない状態だった。ノーラン監督の作品は話題作ばかりであり、その内容についても観客の議論を巻き起こすことがよくあるが、この本ではそれについても詳細な分析を入れていて、一定の作品評価を下している。ただ、批判的な内容としてではなく、肯定的評価に落ち着いているように思える。

僕自身の映画人生の中では、ノーラン監督の作品は自宅でのビデオ鑑賞から始まり、今では新作が公開されるごとにIMAXシアターに見に行くぐらいに注目しているし、作品内容についても印象深いところが多いと思っている。現在世界でヒットしている「オッペンハイマー」にも若干だが触れられていて、実は「TENET テネット」の世界観と繋がりがある、という分析には驚いたところではある。

「オッペンハイマー」は今のところ日本での公開が決まっていないので見ることはできず、期待ばかり膨らむのだが、概要を聞くだけでもこれはIMAXシアターで見るべき映画だと認識していて、配信スルーとかビデオスルーは勘弁してほしいと思っているのだが、この本でもノーラン監督の映画館愛に溢れる説明がされていて、納得するところではある。

この本を読み出してからあまりに内容が面白いので、Blu-rayや4K UHD Blu-rayで手元にあるノーラン監督作をもう一回見直そうかと思っているぐらい、ノーラン監督の作品に対する興味が再燃しているのであるが、この本にはそういう映画鑑賞に対する欲求を強くさせる記述があるように思える。

ノーラン監督の映画のファンのみならず、普通の映画ファンの人にも読んでもらいたい本であるとは断言できる。売価はちょっと高いけれど。

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