仲村清司著「ほんとうは怖い沖縄」新潮文庫

僕は沖縄にハマっている人なので、沖縄関連の書籍は結構保有している。横浜に引っ越しした時にも、買った書籍は全て荷物に詰め込んで持ってきていた。

買った書籍は本棚を買い求めて、寝室に設置したのだが、ふと本棚の「ほんとうは怖い沖縄」を手に取って、パラパラめくったところ、「この本は買ってはあるのだが、読んだのだっけ?」と疑問が湧いてきた。というのも、内容に全く記憶がないのである。

最初にパラパラめくったのは、「豊見城海軍司令部壕」の章だったが、「豊見城海軍司令部壕」は、2023年の秋に見学に行っている。それで気になって読み出すと、世にも恐ろしい話がこの「豊見城海軍司令部壕」に蔓延っているという内容で、驚いてしまった。端的に言えば幽霊が出る、という話なのであるが、確かに沖縄戦で非業の戦死を遂げた軍人たちが大勢いたから、幽霊が出てもおかしくはないのである。ただ、僕が見学に行った時には、僕に霊感がないせいか、全く霊的なものは見かけなかったし、iPhoneで録画した映像や写真にも変なものは映っていなかったが。

そこから、「この本は面白そうだな。読んだ記憶もないし。」と思って、最初から読み出すと、確かに全く内容は知らなかった。最初は著者である仲村清司さんの離婚話とそれにまつわる奇怪な事件の話から始まり、沖縄が日本本土と違って霊的なものをごく自然に信じているといった驚くべき内容、霊的なものが現れると有名な史跡や戦跡の紹介など、僕自身、今まで知らなかった裏の沖縄を初めて知って、結構興奮している。

那覇の「おもろまち」あたりは沖縄っぽくない新都心ではあるが、実は結構霊的に危ない地域らしく、沖縄在住の人は「あそこには住みたくない」と言っているとか。「おもろまち」付近のマンションは値段もかなり高くて、日本本土の裕福層ぐらいしか買い手もいないのだが。

この本自身の発刊が10数年前なのと、著者である仲村清司さんがもう沖縄に住んでいないという事実を持ってしても、いささか古さを感じさせざるを得ないのだが、それでも日本本土と霊的な面や死者に対する考え方の違いがよく分かる内容であり、沖縄フリークならば読んで損はないと思う作品である。僕はなんで今までこの本を読まなかったのか、と後悔している。

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