あらすじ
リリがドルマムゥの力を借りて制作したパワードスーツを起動させた時、AIのナタリーが消えてしまった。リリは自分の知能からナタリーをもう一回作り出そうとするのだが、できなかった。リリは、新しいパワードスーツでパーカーからマントを取り上げるべく、アジトに向かう。
パーカーは、過去に自分の父の会社を襲撃して逃走する時、謎の男と会い、自分の野望を聞かれる。パーカーは実直に金が欲しい、権力が欲しいと謎の男に告げ、男はそれを叶えるためにマントをパーカーに渡していた。
パーカーの手下たちはジョーを除いて全員いなくなった。ジョーもパーカーから離れたいのだが、パーカーの魔術のおかげで行動を共にせざるを得なかった。
パーカーのアジトに着いたリリは、パーカーの力を得ているジョーと対峙することになる。パワードスーツの力はジョーと対等だったが、ジョーをパーカーの魔力から解放するため、魔力の影響を受けていない股間を蹴って動きを止め、その間にジョーの首についているコントローラーを無効化する。
リリは、パーカーと対決する。パーカーからマントを奪い取るべくリリは奮戦するが、パーカーの魔力は強大で、一時はリリの負けかと思われた。しかし、リリはホログラム映像を使ってパーカーを撹乱し、パーカーからマントを奪い取る。マントが無くなったパーカーは、魔力の力を失う。
マントを奪い取ったリリの前に謎の男が現れる。リリがドルマムゥだと思っていたら、謎の男はドルマムゥではなく、メフィストだと名を名乗った。そして、リリに契約を持ちかける。リリが契約すれば、マントの力でナタリーを甦らせるというのである。リリは契約に迷うが、最終的にメフィストと契約を結んでしまう。
感想
全6話のシリーズの完結編は、一応の解決を見ることになるが、リリが悪に走ってしまうオチが待っていて、ヒーロー物としてこのラストはアリなのか? という疑問がかなり残ってしまう展開になっている。リリが悪に走るのも、幼い頃に殺された友達のナタリーを甦らせたいという純粋な愛情からきているので、悪事に手を染めたいという思いではないのだが、それでも過去に囚われてしまい、正邪の判断を見誤るリリの行動には、正直驚いた。
また、リリにマントを奪われ、力を失ったパーカーのその後がポストクレジットで描かれていて、パーカー自身もまだ改心する様子がないところは、物語としてリリも含め、絶望的なラストに陥っていると言える。
このシリーズで描かれたリリの行動を見るに、次のマーベルのヒーロー物として、リリが正義のために活躍する場はなさそうな気がするが、今後のシリーズの展開にどう影響を及ぼすのか、見えないところが多くなってきた。少なくともこのシリーズを見る限り、アイアンマンの後継者としてのリリの立場は薄くなっているように見える。
話としては面白かったが、ヒーローがヒーローであることを止める展開には、複雑な余韻を残す結果になっている。
最後に音響について述べておきたい。ドラマ全般がDOLBY ATMOSで配信されているが、三次元空間の音響描写は素晴らしいものがあり、ドラマの中に没入させられる感覚を強く覚えた。ドラマではあるが、そのクオリティは相当高いと言える。DOLBY ATMOSのデモ作品として推奨できるのではないかと思っている。
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