下川裕治著「週末ソウルでちょっとほっこり」朝日文庫

いろいろなアジアの週末旅を推奨するシリーズの最新作が、この「週末ソウルでちょっとほっこり」である。当然ながら、作者としても日本と韓国の軋轢は十分に把握した上での著作になっている。それでも下川裕治のよく訪問するタイと同じぐらい訪問しているソウルでの様々な文化を紹介するにつれ、国家間でのトラブルはとりあえず置いておいて、文化レベルでの韓国と日本の関係を示唆しているような感触は受ける。特に韓国では焼酎を良く飲む、というくだりはちょっと驚きである。その飲み方が日本のレベルからいうと尋常ではないのである。で下川裕治もそれに煽られ飲み過ぎてしまい、結局後で後悔する、というパターンを経ることが面白い、と思う。今の僕では韓国に対しては良いイメージは持っていないが、それでも下川裕治の文筆を読んでいると、それはそれとして、一番近い海外であるソウルの感覚が蘇ってくる感触はある。よほど韓国に対して敵意を持っているのではなければ、読んでもそこそこ面白いのではないかと思う。

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