映画「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙 編」(DVD)

大ヒットを記録した映画版「機動戦士ガンダム」の第3作目にして、ファーストガンダムの最終章。テレビシリーズの31話から最終回までを再編集している。再編集とは書いたが、テレビシリーズではアニメーション・ディレクターだった安彦良和が病気で作品にタッチしていないために、今劇場版ではリベンジ・マッチとばかりに全体の大半を新作画で再構築するという荒技を使っている。その関係もあって、テレビシリーズで活躍したガンタンクが登場しないで2機(ア・バオア・クー戦では一瞬3機映るが)のガンキャノンと2機のコア・ブースターというよりリアルな描写になっている。また、アムロのニュータイプの目覚めも、かなりテレビシリーズと違っていて、よりララァとの精神感応をイメージ描写で描いている。再編集した結果、シャアの扱いが何となくへたれキャラに変わっている様な感じがするのは気のせいだろうか。どことなく最後のアムロとの戦いが、「機動戦士Zガンダム」でのシャアの立ち位置と似ている様な気がするのである。既に35年近く前の映画だが、ストーリーがしっかりしているので、今観ても色あせることがない傑作としてその位置を占めている様な気がする。

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