ある宇宙域でエネルギーを調査中のパリスとトレスは、謎の異星人の攻撃を受け、負傷してしまう。その治療をするドクターだったが、次第に調子が悪くなっていった。原因は2年間もの起動時間にあり、記憶容量がオーバーロードしているためだった。トレスはドクターを開発したジマーマン博士のホログラムを呼び出し解決策を探るが、その間に謎の異星人のテリトリーを無事に通過するための仕事に追われ、対策が取れなくなる。謎の異星人のセンサーをかわし、領域内を通り抜けようとするヴォイジャーだったが、その異星人に攻撃を受けた別の異星人と遭遇し、その宇宙船に張り付いていた異星人に見つかってしまう。謎の異星人の攻撃を受けたヴォイジャーは危機を迎えるのだが。
タイトルは「ドクターのオーバーロード」とドクターの不調がメインのような話になっているが、実はコミュニケーションの取れない異星人の領域内を無事に通過できるかという展開とパラレルになっている。どちらかというとこの領域内を通過できるかという話のほうがメインのような気がする。というのもドクターの不調を解決するのは最後にはケスと、ドクターを生み出したドクター・ジマーマンのホログラムがメインになっているからで、ヴォイジャーのエンジニアが担当しているのではないからである。スター・トレックでは、しばしば人間ではないもの(例えば新スター・トレックのデータとか)が人間に近づく過程の物語を描くことによって、人間とはなにかという話をすることがあるが、今作もそのひとつに上げられると思う。ケスがドクターが記憶を消失していくにつれ、顔をしかめるのが彼女のドクターに対する友情を感じさせて、微笑ましく思う。しかし、ドクターの斜め上目線の設定は、元のエンジニアがそうだったから、というのは笑える設定ではある。今作では、謎の異星人の宇宙船と、ヴォイジャーの攻防がCGで描かれるが、テレビドラマにしては迫力がある。
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