とある惑星を調査中に時間の波に襲われたエンタープライズの艦内で、事故でドクター・マッコイがコルドラジンという劇薬を自ら打ち込んでしまう。精神錯乱状態になったマッコイは、惑星上にある時間の管理者の門を通って1930年代の過去に行ってしまい、歴史が改変されてしまう。それを阻止すべく過去に戻ったカークとスポックは、エディス・キーラーという女性と知り合いになる。調査の結果、キーラーは、戦争反対の立場をとっており、それがナチスドイツの台頭を許し、歴史が変わってしまうことを知ってしまった。彼女と恋仲になったカークは、彼女が死ぬのを見届けなくてはならなくなるが…。
宇宙大作戦の中では、傑作と評されているエピソードの1本。カークが歴史を正しくするために取った非情な決断が胸を打つ作品である。脚本が、SF作家のハーラン・エリスンということで、ひねった作品構造になっている。エディス・キーラーという一人の女性の行動が、歴史にかかわってくるという話がなかなか面白い。過去に戻ったカークとスポックが、言い訳を考えているシーンなど、結構楽しめる面もある。でも基本的にはカークの連邦仕官としての判断を自分の私情よりも優先させたという、それも苦渋の決断だったという話に余韻が残る話である。
コメント