レビューの詳細は、スター・トレック I:ディレクターズ・エディション(4K UHD/iTunes Movies)/Apple TVで観た映画のレビューを参照のこと。1979年に劇場公開された「スター・トレック」の劇場版第1作目である「スター・トレック」は、監督であるロバート・ワイズにとっては不本意な編集になっていた。それは、劇場公開日に撮影や編集が間に合わないという事態が発生していたからだが、DVDの売れ行きが好調な中、「スター・トレック:劇場版」をDVD化する際にロバート・ワイズは、再編集をしたいと映画会社に申し出て、それを認められたためにDVDでリリースされたのが、「スター・トレック I:ディレクターズ・エディション」である。物語の再編集と、特殊効果のCGによる追加撮影、DOLBY STEREOの3-1サラウンドからDOLBY DIGITAL 5.1chサラウンドへの変更など多岐に渡る変更により、物語の面白さが格段に上がっていたのだった。しかし、CGをDVD画質に合わせて作ったために、Blu-rayリリース時には予算がなく、劇場公開版でのリリースになってしまった。4K UHDの時代になり、制作会社であるパラマウントは自社で配信サービスを始めるために、キラーコンテンツとしてスター・トレックを採用し、そのために4K UHDバージョンの「ディレクターズ・エディション」を作り直して、自社の配信サービスで配信したのが、この春のことである。その半年後に4K UHD Blu-rayとしてリリースが決定し、何故かiTunes Moviesでもこの作品だけ4K UHDで713円というバーゲンセールで配信されていたので、輸入盤4K UHD Blu-rayもAmazon.comで注文しているにもかかわらず、購入をしてしまい、鑑賞したのが今回の話になっている。
ストーリー自体はDVDの時にも鑑賞しているのだが、4K UHDの解像度でDOLBY VISIONの色彩管理を施したこの「ディレクターズ・エディション」は、CGの高解像度とも相まって、格段に面白い作品に仕上がっている。劇場公開版の視聴時に感じた冗長感が、「ディレクターズ・エディション」では感じさせず、スター・トレックらしい一作品に仕上がっている。また、音響もDOLBY ATMOSでリミックスされていて、三次元サラウンドが最強の効果を上げているので、映画の展開を助ける役割を果たしている。
スター・トレック・ファンのための作品なので、ファンではない人にはあまり面白い作品とは感じないかもしれないが、単純にSF映画として見てもよくできていると思われるので、iTunes Moviesでの配信購入が可能な人は、バーゲンセール中に購入してみるのもいいかもしれない。スター・トレックの映画シリーズはiTunes Moviesで配信されているが、現時点ではHD画質なので、この「ディレクターズ・エディション」の4K UHD画質は貴重である。この10月には4K UHD Blu-rayもリリースされるので、興味ある人は、そちらを買ってもいいかもしれない。
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