ちようど10年前、映画「戦場のメリークリスマス」のサウンドトラック「Merry Chrismas Mr.Lawrence-30th Anniversary Edition-」のハイレゾDSDファイルを購入した。ハイレゾファイルの種類はいくつかあって、このアルバムは5.6MHz 1bit DSDファイルでマスタリングしたとハイレゾファイル販売サイトには書いてあったのだが、10年前の当時、5.6MHz 1bit DSDファイルを再生できるプレイヤーもAVアンプも持っていなかったため、SACDと同じ2.8MHz 1bit DSDファイルを購入した経緯がある。
当時はこのDSDファイルをDSDのまま再生するには、おそらく当時持っていたiMacからAVアンプにサーバーアプリ経由でデータ転送して、DSD再生するしかなかったと思う。あとでHDD NASを買った時にNASにデータを入れ、NASのDLNA機能でAVアンプにデータを飛ばそうとしたが、DSDファイルだとNASのDLNA機能がパススルーせず、結局FLACファイルを作って再生していたと思う。
昨日、SynologyのNAS、DS120j/JPと、SanDiskの内蔵SSD PLUS 2TBを購入して、それまで使っていたバッファローのHDD NASからデータをSynologyのDS120j/JPに転送した。そして、DS120j/JPにDLNAサーバーアプリをインストールした。ネットの話によると、DSDファイルもそのままパススルーするとは書いてあったので、AVアンプR X-A770のNET機能でDLNAサーバーを経由して、「Merry Chrismas Mr.Lawrence-30th Anniversary Edition-」をDSDのまま再生してみた。
その効果は凄まじいものだった。DSD 2.8MHz 1bitという本来のマスタリング仕様ではないものの、5.1.2chの設定をしているAVアンプRX-A770からは信じられないほど芳醇な音が奏でられていた。高音もしなやかに伸びていて、CDにありがちなキンキン音は全く感じられないし、低音の響きも凄まじかった。あまりの音量にボリュームをかなり絞らざるを得なかったほどである。10年前に当時のAVアンプでもDSDダイレクト再生はしていたとは思うのだが、ここまで素晴らしい音質だったか、と目から鱗な気分であった。
ハイレゾ音源からは遠ざかっていて久しい。普段の僕の音楽再生はiPhone+AirPods Proか、Apple TV 4K+RX-A770+5.1.2chスピーカー、もしくはHomePod miniのステレオ構成で、どう見てもハイレゾではない。なので、ハイレゾの凄さを改めて思い知った次第である。今日、FLAC 96kHz 24bitの佐野元春のアルバム「VISITORS」、「BLOOD MOON」も聞いてみたが、こちらもハイレゾなのでいい音はしていて低音の響きには感心したが、DSDファイルほどは感動しなかった。
今回、NASを買い替えたことでハイレゾミュージックを再生できる環境が構築できたので、少しハイレゾにも関心を寄せてみてもいいのではないかという気になってきた。MacBook Proとかをサーバー代わりにしてのハイレゾファイルの再生には面倒くささがつきまとうが、NASだとそこまでの面倒臭さはないので、また、ハイレゾにも手を出して行こうかと思い始めている。
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