映画「オッペンハイマー」は劇場公開されるのか?

このお盆の間、「バービー」を見てその出来の良さに驚嘆の思いをした僕ではあるが、元々は「バービー」にはそんなに関心は湧いていなくて、クリストファー・ノーラン監督の「オッペンハイマー」の方に関心があった。ただ、SNSでの「バーベンハイマー」騒動から「バービー」も見なくては、という関心を寄せるようになったから見たのであるが、世界的に「バービー」も「オッペンハイマー」もヒットをしていることから、「バービー」を見て、その内容の出来の良さに感心したわけである。

となると、さらに批評家、観客からの評価が高い「オッペンハイマー」をぜひ劇場で、それもIMAXシアターで見たい、と思うのは映画ファンならではの欲望ではあるが、「バーベンハイマー」騒動での「バービー」に対する風当たりの強さを見るにつれ、「オッペンハイマー」の日本公開はさらに厳しくなったのかな、とかなり心配になっている。SNSでのイラストだけで原爆とは一切関わりを持たない「バービー」がネット上で散々叩かれ、興行収入も観客動員も厳しい状態の中、本当に原爆の父と呼ばれたロバート・オッペンハイマーの半生を描いた「オッペンハイマー」は、さらに映画を見もしない人々から批判を受けることが容易に推測でき、リスク回避をしたい配給会社からしたら、劇場上映をしないとか、するけれどほとぼり冷めた頃にひっそりミニシアターでの未公開とかが考えられる。

しかし、監督がクリストファー・ノーランなので単に原爆賛美の映画にはなっていないとは予想している。原爆を生み出したロバート・オッペンハイマーの栄光と挫折を描ききったテーマ的に考えさせられる内容ではないかと推測している。実際に漏れ伝わるところでは広島・長崎の原爆投下シーンもないし、その後の被爆者の映像もないと聞いているので、あくまでロバート・オッペンハイマー主観の人生を描いたものになっているように思える。

この「オッペンハイマー」を称賛するにも批判するにも映画そのものを見なければ、その行為ができないと思うのだが、すでにSNSでは見てもいない人が「オッペンハイマー」批判を繰り返している書き込みが多々見受けられ、個人的には的外れに感じている。

内容を抜きにしても、フィルム撮影にこだわるクリストファー・ノーラン監督がIMAXフィルムで撮影した映画なので、配信やBlu-rayでホームシアターで鑑賞するのは、もったいないというか、そもそも監督の観客に求める体験を果たしていないと思う。もちろん、劇場公開され、IMAXシアターで観賞後にあらためてホームシアターでBlu-rayで見直すというのはありだとは思うが、いきなりホームシアターでの鑑賞は作品の印象を大きく損なうものになっていると思う。

そうした面から、いろいろな批判があったとしても配給会社には劇場上映を行なってほしいし、上映されれば僕は見に行くと決めている。原爆がテーマという日本にとっては重い内容だとは思うのだが、加害者側の視点も見なければ原爆というものの実体が見えづらくなっているように思える。終戦の日を過ぎたこともあるし、そろそろ配給会社側は何らかの決断を下してほしいと思っている。

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