2ヶ月近く前に、日本ではソニーがディスクメディアの生産をハピネットに委託というニュースが流れて、少々驚いた記憶がある。その時は、アメリカでは「ディズニーがソニーにBlu-ray、DVDの製造、販売を委託」というニュースが先に出ていたので、日本ではねじれ現象になっている、と認識した。
そして、今日、また想定外のニュースが飛び込んできた。ディズニーも今年の10月以降、Blu-rayとDVDの製造、販売をハピネットに委託する、というのである。これで、ハピネットは日本においては大手映画会社2社のBlu-rayとDVDの製造、販売の委託を受けることになるのだが、これはまさにディスクメディアの売り上げが縮小しているがための対応策のように見える。
実際、ディスクの新譜発売情報を見ていても、新作映画が4K UHD Blu-rayでリリースされることは少なく、ただのBlu-rayのみということが増えてきている。で、4Kマスターのホームビデオがないのかというとそうではなくて、配信では4Kで配信しているのである。つまり需要は配信に完全に移っていて、ディスクメディアにはないというのがわかるのである。
前に聞いた話だと、ディスクメディアの70%は音楽ビデオで占められているらしい。映画はわずか5%ぐらいのシェアしかないという。映画のディスクメディアを買う人が極小になっていて、多くの人は配信で済ませている状況がよくわかるシェアである。
しかし、配信だとまだまだ画質はともかく音質的には不満が残る部分は大きい。ロッシーであるDOLBY DIGITAL PLUSで配信しているのもあるし、近隣クレームを避けるためか、ダイナミックレンジを圧縮している例も多く、迫力に欠ける音響であることが多い。それがDOLBY ATMOSであってもである。クリストファー・ノーラン監督は自分の作った「オッペンハイマー」でディスクメディアに対する想いで話していて、「配信で見ないように、ディスクメディアを買って見ましょう」と宣言していたぐらいである。
ディスクメディアが衰退し、配信が肥大化するのは避けられないとは思うが、ディスクメディアのコレクションを楽しみにしてきた僕としては、先行きは気になるところではある。アメリカでは、大手映画会社からは4K UHD Blu-rayはあまりリリースされず、インディペンデントビデオ会社が大手から権利を買って、過去の名作を4K UHD Blu-ray化してリリースしているのだが、日本ではそうなりそうもない。
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