クレニムの攻撃によりボロボロになったヴォイジャーは、星雲の中に隠れ、応急処置を施すが、上級士官だけでは復旧は不可能だった。クレニムにさらわれたチャコティとパリスはリーダーであるアノラックスと面会し、彼の意向を聞くことになる。パリスはそれに反対するが、チャコティはアノラックスのヴォイジャーを無事アルファ宇宙域に戻してやるという言葉を信じて時空侵略の計算に手を貸す事になる。しかし、アノラックスは自分の妻子を元通りにするためには手段を選ばない男だった。アノラックスの本質を悟ったチャコティはパリスにヴォイジャーに連絡するよう指示、それを受けてヴォイジャーは最後の攻撃に出る。
前回からの続きエピソードで、完結編となる本作は、クレニムの時空侵略戦争の本質が分かるという点で面白いものになっている。始めは単なる自分の領土を拡大するためだったものが、途中から自分の妻子を救おうとするために何度も時空を変更するというアノラックスの邪悪のようで邪悪でない敵役というものが描かれている。考えてみると、「スター・トレック:ジェネレーションズ」も似たような設定だったなと思い出される。一方ヴォイジャーがボロボロになっていき、ジェインウェイが傷ついていくさまも圧巻である。最後は特攻という派手なアクションで物語のクライマックスを迎えるが、さすがにこの手の迫力あるシーンは従来の「スター・トレック」シリーズではあまり見られなかったと思う。「ディープ・スペース・ナイン」辺りから派手な戦闘シーンが加わるようになったが、同時期に放送されていた「ヴォイジャー」もそういう傾向が表れているように思う。ラストシーンが、またアノラックスが何かをしそうで歴史が繰り返されるような感じを受けるのも一興である。
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