フランシス・スコット・フィッツジェラルド著「グレート・ギャツビー」新潮文庫

ロスト・ジェネレーション時代の代表的作家、フィッツジェラルドの代表作であり、何度も映画化されているのがこの「グレート・ギャツビー」である。今回バズ・ラーマン監督、レオナルド・ディカプリオ主演で何度目かの映画化されたということで、映画を観る前に原作本を読んでみた。ストーリーはアメリカ中西部出身の若者ニックの目を通して隣に住む大富豪ギャツビーの栄光と破滅を描いたものになっている。ニック自身が田舎者から都会であるニューヨークにやってくるという設定なので、視点が最初から富豪である登場人物とは違うものになっている。ギャツビー自身も最初は貧乏人だったが、後にある方法で大富豪になり、それで毎晩パーティを開いているという設定である。ギャツビー自身にはある思い秘めた恋があるのだが、その恋が結局彼の身を破滅させてしまうという皮肉でもある。内容的にも第二次世界大戦後のビート・ジェネレーションと共通するところがあり、なかなかに面白い作品である。どちらも戦争後の失われた何かを探し求めているという点では同じだと思う。

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