映画「マーベルズ」(IMAX 3D/ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13)

マーベル・シネマティック・ユニバースのフェイズ5の3作目に当たり、「キャプテン・マーベル」の続編になるのが、この「マーベルズ」である。

「キャプテン・マーベル」の続編なので主役はキャプテン・マーベルなのだが、本作はキャプテン・マーベルの他にも二人主役がいて、三人が力を合わせてヴィランと戦う、という展開になっている。

しかも、キャプテン・マーベルに加勢する二人のヒーローのうち、ミズ・マーベルことカマラ・カーンがかなり目立つ役割を担っている。Disney+のドラマシリーズで初登場したアベンジャーズオタクのカマラ・カーンとその家族が物語の中心を占めているので、Disney+のドラマ版「ミズ・マーベル」を見ていない人には、どういうキャラなのかがよくわからないのではないか。カマラ・カーンとその家族の関係はドラマ版で詳しく描かれていて映画はその発展版なので、主役のキャプテン・マーベルよりもカマラ・カーンの方に焦点が当たっている。カマラ・カーンが身につけているバングルが物語の重要なアイテムになっている点も含めて。

もう一人のヒーローになるモニカ・ランボーも前作では子供として登場しているが、同じくドラマ版の「ワンダヴィジョン」で大人でスーパーパワーを持った女性として再登場するので、やはりドラマ版を見ていない観客には不親切な作りになっている。

物語自体は2時間を切る短い作品なのだが、内容盛り込みすぎで上映時間以上に長く感じる部分はある。あちらこちらにマーベル・シネマティック・ユニバースのネタを仕込んでいるので、全作品を鑑賞している人にはそこそこ楽しめるだろうが、追いかけていない人には意味不明な展開である。

猫好きにはフラーケンのグースとその仲間が大活躍するので、画面狭しともふもふの猫が暴れまくっていて、そこは笑える。グースのシーンに限らないが、この作品は割とコメディチックな展開が多くて、深刻な内容にはなっていない。そこで評価が分かれる。

少なくともキャプテン・マーベルが単独で目立つ作品にはなっていない。あくまでモニカ・ランボーとかマラ・カーンも含めたヒーローチームとしての活躍が際立つ作品である。

IMAX 3Dでの鑑賞であるが、画面のアスペクト比が冒頭から1.90:1で始まるのと、IMAXシーンが多いので圧倒的没入感は存分に味わえる。3D効果もあるので、映像の魅力は十分である。音響も12chサラウンドが響き渡るので、迫力の音響を楽しめる。

映画の最後の方でカマラ・カーンが次のヒーローとして存在感を強めていく描写があったり、或るヒーロー物に言及しているポストクレジットシーンがあったりと、今後の展開への布石にも余念はない。ただ、「誰々は帰ってくる」というクレジットはなかったので、「キャプテン・マーベル」の次がどうなるかは未定であるが、個人的には及第点を与えられる作品である。

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