あらすじ
エンタープライズは文明が未発達の惑星調査に来ていた。その惑星には彗星が接近していた。
エンタープライズ艦内では、パイク艦長の食事会が開催され、ウフーラ士官候補生も招待されていた。オルテガスのジョークに引っかかり、正装で来てしまったウフーラだったが、パイク艦長に自分のことを話し、理解してもらう。
その頃、エンタープライズは彗星の軌道が惑星に直撃し、彗星も惑星も消滅するというシミュレーションを弾き出した。惑星にはヒューマノイドがいるため、彗星の軌道を変えようと行動するのだが、なぜか彗星にはフォースフィールドが張られていた。
彗星にフォースフィールドが張られている原因を探り、軌道を変えるためにスポック、ラアン、カーク、ウフーラの4人が彗星に上陸する。フォースフィールドは攻撃を受けた際にのみ発動するので、転送による上陸は可能だった。
彗星に上陸した4人は卵のような物体を見つける。何かの文字のように思えたウフーラは解読に取り掛かるが、卵のような物体に接近したカークは攻撃を受け、一時心肺停止状態になる。ラアンは上陸班を転送で回収してもらうようエンタープライズに指示するが、再びフォースフィールドが張られてしまい、転送は不可能になる。
そして、上陸班を救助しようとしたエンタープライズの前に巨大な宇宙艦が現れる。その船には羊飼いと名乗る異星人がいて、彗星のことをムハニートと呼び、ムハニートは宇宙の生命の起源なので、勝手な行動は身を滅ぼすと、警告してくる。
ウフーラは卵のような物体に書かれている記号の解読をしていたが、その時口ずさんでいた彼女の生まれ故郷であるケニアの歌にムハニートが反応していることをスポックが気づく。そのため、ウフーラやスポックはハミングをすることでムハニートのフォースフィールドを解除させ、エンタープライズに戻る。
パイク艦長らは一計を案じ、ムハニートに手を触れない形でムハニートの軌道を変える作戦を遂行する。それはギリギリの賭けだった。
感想
シーズン1第2話は、早くもウフーラ士官候補生が活躍し、問題解決の糸口になっている重要な話である。「宇宙大作戦」の時にはウフーラのバックグラウンドはあまり描かれていなかったが、今回、冒頭のパイク艦長の食事会の時からウフーラの性格や信念が描かれ、ウフーラというキャラの厚みが増しているのが感じられる。後のエピソードでも関係を持つことになるヘマー機関主任とのやりとりは、重要である。
ウフーラ士官候補生を主役にしながらの展開は、まさに想定外の話になっていて、どんでん返しに次ぐどんでん返しの展開には唸らされた。惑星に衝突する彗星が実は羊飼いと呼ばれる異星人の管理下にあり、彗星が銀河の生命の源であるために彗星に手を出すことは罷りならん、とエンタープライズに警告するあたりから、どう問題解決に導くのかが興味深く鑑賞できた。
パイク艦長の夕食会でウフーラが披露したハミングが彗星とのコミュニケーションに役に立つという展開は、事前の告知が後々効果を発揮するという典型例であり、話の持っていき方が上手いと感じた。
そして、クライマックスの想像を絶する展開には、安堵すら感じるところがあった。スター・トレックらしい展開で、楽しいエピソードだったと思う。
12月1日からParamount+が本格スタートを切って、「スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド」もシーズン1全10話を一挙配信している。残り8話あるが、適切な時間を見つけて鑑賞していきたいと思っている。
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