前にも、「認知症の母の面倒をどうするか考える」という記事で、母の認知症が進行している、という内容を書いたと思う。父一人で対応してもらうのも厳しいので、仕事の関係で移住をした福岡から、実家のある神奈川に住まいを戻そうと、中古マンションの物件を探して下見をし、売買契約を結ぶ手前まで来ているところである。
母の認知症の進行が早くなければ、このゴールデンウィークはロンドンに旅行に行きたかった。円安ではあるが、まだ体の動けるうちに海外旅行はしたいとは思っている。しかし、中古マンション購入の手続き等で色々見えないところもあり、ゴールデンウィークに旅行に行くのは難しいと判断して旅行は取りやめ、代わりに実家に帰省することにした。ゴールデンウィーク中に不動産業者と中古マンションの売買契約を締結するので、実家への帰省の判断は適切だったとは思っている。
実家に帰省したのは昨日の昼だったが、1週間前に「帰省するから」と実家に電話した時に、母と話をしようとしたら、母は「電話の声が聞こえない」と僕との会話を事実上拒絶していたので、気になっていた。
実家に帰って母の状態の一端を電話ではなく実際に見ることができたのだが、たしかに認知症の進行は進んでいる。会話が成り立たない部分は結構ある。僕が高校時代の友人と飲み会をこのゴールデンウィーク中に行うのだが、「いつ友達と会うの?」とか「昨晩は友達との飲み会どうだった?」と、まだ予定の段階の話を何回か繰り返し尋ねていた。飲み会は今のところ3日の夜なので、その度に「3日の夜だよ」と言わざるを得なかった。
そのほかにも、食事の時には母はご飯と味噌汁、佃煮しか箸をつけずに、本当は食べてほしい肉、野菜系には箸を全くつけなかったところも気になった。また、食事の席で父が週2回、スポーツを行いに家を離れることに対して、ものすごい不満の意見をとうとうと述べていた。母からすると、父に見捨てられた、という意識が先に立っているのだと思う。
さらに、母は時々家の中に誰か見知らぬ女性がいると、訴えていた。認知症の症状の中には、幻覚を見ることがあるとネットには書かれていたので、幻覚なのだろうが、母からすれば見知らぬ存在の女性が見えるというのは恐怖なのかもしれない。昨晩の夕食の席でもそんな話を僕にしたので、僕は「その人が母に危害を加えないのならば、気にしない」と言っておいたが、効果はない感じではある。
今日は、母はデイケアに通ったので昼は父と二人で外出し、食料の買い出しと昼食を取ったので、昼食の席で色々話はしたが、父自身も疲れているのがよくわかった。デイケアに週3回通うようになっているのと、父が週2回スポーツを行いに家を離れているので、多少父にかかるストレスは和らいでいる感もあるが、それでも相当厳しいものがあると言わざるを得ない。
僕が中古マンションを神奈川に買うつもりになったのは、母の認知症の面倒を父の負担だけでなく、多少なりとも助けなければ、という意識があるからだが、実際実家に帰ってきて、母の状態を見ると、負担の重さに先が思いやられる。ただ、僕が父と母の間に入ることで、母の認知症における父に対する不満や、父が抱えるストレスを話を聞くだけでも多少和らげられれば、とは思うし、神奈川に住まいを移すというのも、会社の理解があるからとはいえ、動かざるを得ないし、その点少しずつ進捗しているのは、なんとかなっている面もある。母の面倒だけでなく、父の面倒もいずれは見ざるを得ないから、家庭を持っていない僕がどこまでサポートできるかが勝負ではある。ただ、僕も精神疾患を抱えた身なので、丸抱えせずに公的機関を全面的に頼る方向性だけは持っていたいと思う。
コメント