あらすじ
セリトスは、宇宙艦バンクーバーとガンマ宇宙域にいるカレマ人との通商交渉を行うため、ディープ・スペース・ナインに到着する。しかし、カレマ人と交渉をするはずだったバンクーバーの艦長の代わりにセリトスのフリーマン艦長が通商交渉をする様、艦隊から指示が降る。フリーマン艦長は急な話に怒りながらも、ドミニオン戦争後のガンマ宇宙域との交流のため、尽力を尽くす。ディープ・スペース・ナインでは、キラ・ネリス中佐が対応をして、フリーマン艦長とカレマ人との交渉を下支えする。しかし、カレマ人は交渉決裂のことを考えて、ある企みを持っていた。セリトスのクルーもディープ・スペース・ナインに上陸し、それぞれが楽しんでいたが、テンディは同じオリオン人の連邦士官と出会う。しかし、テンディは彼のことを最初から嫌っていた。オリオン人が海賊行為をすることを嫌がっていたからである。それでもその士官はテンディとラザフォードに付き纏い、ついにはカレマ人への贈呈物を船に運ぶ仕事に付き合ってしまい、カレマ人の船のドックに入り込んでしまう。フリーマン艦長はカレマ人との交渉を有利に運ぶためにフェレンギ人のクワークを使おうとするが、それが失敗に終わり、カレマ人は交渉決裂時の企みを実行してしまう。その頃、マリナーは同じ士官のジェニファーに誘われ、女性士官の集まりであるサロンに嫌々参加するが、話についていけなくなっていた。そして、ボイムラーは、クワークの店でダボをプレイして、連戦連勝を続けていた。
感想
今回の「スター・トレック:ローワー・デッキ」は、ずっとスター・トレックを見続けていた者にとっては、涙が出るエピソードである。特に僕からしたら、「スター・トレック:ディープ・スペース・ナイン」の舞台となっている宇宙ステーション、ディープ・スペース・ナインが映像で登場し、そこで流れる音楽も「スター・トレック:ディープ・スペース・ナイン」のテーマ曲だったりすることや、世界観がドミニオン戦争の後という設定であること、キラ中佐やクワークが登場するばかりか、その声を演じるのがドラマで実際に演じていたナナ・ヴィジターやアーミン・シマーマンだったというところで、それだけで満足のいくエピソードだったと思う。ストーリーも、「スター・トレック:ディープ・スペース・ナイン」でありがちなエピソードを「スター・トレック:ローワー・デッキ」の世界観の中で再現しているところに、面白さを感じる。ガンマ宇宙域の異星人カレマ人との通商交渉を行う話は、スター・トレックの世界観の広がりを感じさせるものになっている。そのため、今回は主役であるボイムラーやマリナーたちの影が薄いような気がする。テンディは事件が起こって意外な真実を明かして活躍するが、マリナーは女性士官のサロンで退屈しているだけだし(クライマックスでは暴れるが)、ボイムラーに至ってはダボというギャンブルで遊ぶだけ。そういう意味では、変化球のあるエピソードだと思う。
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