スター・トレック ヴォイジャー 第65話「遠隔起源説」

ヴォスのゲイガン教授はとある惑星でヒューマノイドの遺骨を発掘する。それは47の遺伝子がヴォスのものと一致していて、ヴォイジャーに登場していた乗組員のものだった。かねてから遠隔起源説を主張していたゲイガン教授は元老院に訴えかけるが、彼らの反応は悪かった。ヴォスこそこの宇宙一第一の種族であるという教義が覆されると、彼らとしても不都合が出るからである。研究を続けるゲイガン教授はやがてヴォイジャーと接触をし、遮蔽装置で彼らの生態を観察していたが、それが見破られてしまい、助手をヴォイジャーに残したまま、チャコティをさらって船に戻る。ゲイガンの遠隔起源説を裏付ける証拠が入ったことで、元老院の態度も変わるのでは、と期待したゲイガンだったが、そうはならなかった。

ヴォイジャーのシリーズとしては珍しく異星人の方を主役にしたエピソード。ヴォスという種族がかつて地球で繁栄していた恐竜の子孫という設定には驚かされたが、物語の主題はそちらではなく、ゲイガンの主張する遠隔起源説を拒否しようとする人々との認識の違いで、彼の証拠にもかかわらず、元老院は社会の混乱を抑えるために彼の説を否定している点が物語の骨子をなしている。それもゲイガンの研究者生命だけでなく、ヴォイジャーの命すら奪うという過激さには自分たちの先祖を否定するしかない恐れに似たものを感じる。チャコティの発言にもかかわらずに考えが変わらなかった元老院の態度は今の地球でもあり得る話だと思う。こういう視点を逆にした話もたまにはいいなと思う。

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