ティム・バートン監督作「バットマン」がすべての始まり

タイトルに「ティム・バートン監督作「バットマン」がすべての始まり」と付けたが、別にティム・バートンが監督する前からもアメコミの映画化がなかった訳ではない。バットマンにしても、1960年代の陽気でポップなテレビシリーズと、その総集編の映画版が存在しているし、代表的なところでは、1978年のスーパーマンシリーズがアメコミの映画化で有名なところだと思う。では、何が始まりなのかというと、アメコミの映画化の中で、主人公のヒーローが戦いで悩み、苦悩する映画を作ったのがティム・バートンが最初なのではないか、と言うところから話は始まっている。1980年代中盤にアメコミでは画期的な作品と言われる「バットマン:ダークナイト・リターンズ」が刊行され、これまでのアメコミの概念を一掃したと言われている。その重苦しく、ヒーローがヒーローとして認知されない世界観は、ある種の独自性を持っていたと思う。その影響下にあるティム・バートン監督作「バットマン」は、まだバットマンがゴッサム・シティのヒーローとして認知される前のストーリーであり、ティム・バートンの独特の暗く、重苦しい世界観を持って、見る者を圧倒していたと思う。この作品以降、アメコミのヒーロー物と言えば、重苦しい世界観を持った物が急速に増えていく。それは別の世界観を持ったクリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」3部作でも同様の様式を得ている。そういう意味では、ティム・バートン監督作「バットマン」はエポック・メイキングな作品と言えるのではないかと思われる。

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