スター・トレック エンタープライズ 第47話「理由なき憎しみ」

あらすじ

エンタープライズは、デノビュラの科学アカデミーから、ある惑星で鍾乳石を調査しているデノビュラ人の救出を依頼される。その惑星は内政が不安定になり、異星人の退去を命じてきたからである。アーチャーは、タッカーたちにデノビュラ人の救出を指示する。その他の異星人は、惑星から宇宙船で脱出を始めていたが、ある船が放射能漏れで危機に陥る。エンタープライズはその救援をし、フロックスが負傷者の手当てを開始するが、ある患者を見て、治療を躊躇する。その患者は、デノビュラと何回も戦争を起こしていたアンタラン人で、アンタラン人の患者は、デノビュラ人による治療を拒んでいたのである。過去の歴史認識の違いからフロックスは治療をためらうが、アーチャーの命令により、過去の両種族の不幸な歴史について、アンタラン人との距離を縮めようとする。

感想

ストーリーは2つに分かれている。一つは惑星の内政不安定な中、鍾乳石を調査するデノビュラ人を救助するタッカーたちの苦戦で、もう一つは過去に何度も戦争を起こし、互いが憎しみ合っているデノビュラ人とアンタラン人の和解についての話である。物語としては、フロックスとアンタラン人との葛藤の話の方が、緊迫度は高くて話の面白みはある。最終的には少し和解をし始めるという展開で、希望は持てるが、2015年の今、日本で見ると、まるで日本と中韓の関係にも思えてくる。スター・トレックが普遍的なテーマを元に、ストーリーを作っているという典型例ではないかと思われる。ただ、当時のアメリカでこのエピソードが放映されたとき、この両者の話はどこまで現実世界を表していたかを考えると、ちょっと疑問も生じる。

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