映画「ブロンド」(Apple TV 4K/Netflix/DOLBY VISION)

レビューの詳細は、ブロンド(DOLBY VISION/Netflix)/Apple TVで観た映画のレビューを参照のこと。Netflixオリジナル映画で、「ブレードランナー2049」で人気を博した女優アナ・デ・アルマスを1950年代のハリウッドのセックスシンボル、マリリン・モンロー役に抜擢し、マリリン・モンローの人生を事実とフィクションを交えながら、マリリン・モンローの本名であるノーマ・ジーンが人生をかけて求めていたものは何だったのかを描き出した意欲作が、この「ブロンド」である。前々から気にはなっていた作品で、9月28日からNetflixで配信開始したので、今日視聴した次第である。

物語自体がフィクションなので、この映画を見たからと言って、マリリン・モンローの真相に迫ることはできないのだが、マリリン・モンローの本名であるノーマ・ジーンが何を考え、求めていたのかについては、原作者の一定の思想が盛り込まれており、それはそれで面白い解釈だなと思っている。ただ、映画としては長い。167分という上映時間はフィクションであるにもかかわらず、長いと思う。

映画がマリリン・モンローの人生を描き出していることもあってか、SEXシーンやマリリン・モンローのヌードシーンがやけに多い。マリリン・モンローを演じたアナ・デ・アルマスは頑張って自身のヌードを画面に晒していて、性的にも興奮するところはあるが、マリリン・モンロー自身の人生は結構悲惨な面が多く、それを考えると単純に性的興奮を感じていいのか考えてしまう面も少なくない。とにかく、性的シーンが多いため、アメリカではNC-17という17歳未満は映画視聴禁止という厳しいレーティングがかけられている。日本でもレーティングが厳しくなっていたと思う。

映像も凝っていて、アスペクト比が1.00:1、1.37:1、1.85:1、2.39:1とマルチで描き分けられている。メインが1.37:1というスタンダードサイズなので、画面自体は割と窮屈に感じる。また、色彩もモノクロシーンが多く、カラーのシーンが思ったほど多くないので、それも窮屈さを感じる要因かなと思っている。

音響はDOLBY ATMOSでミックスされていて、ドラマとしては予想外の空間オーディオが繰り広げられるのでびっくりする。登場人物のセリフ自体がオブジェクト化して観客の周囲をぐるぐる回るし、環境音は頭上を含め全方位に広がるし、イマーシヴ感が満載である。これは思わぬ掘り出し物であると思う。

映画としての評価がかなり低いので、万人にお勧めできる映画ではないかもしれないが、個人的には面白かった映画であり、マリリン・モンローについてのある見解を知ることができたのは良かったかなと思っている。

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