スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド シーズン2第7話「大昔のサイエンティスト」(Paramount+/WOWOWオンデマンド)

あらすじ

24世紀の惑星連邦に所属するU.S.S.セリトスのクルー、ボイムラーとマリナー達は、ある惑星の壊れたポータルを見に行っていた。ボイムラーがポータルの前でポーズをとり、ラザフォードが写真を撮ったとき、壊れていたはずのポータルが突如起動し、ボイムラーはポータルの渦に巻き込まれて23世紀の世界に来てしまう。

23世紀の世界ではエンタープライズのクルーがポータルを調査しているところだった。連邦の歴史を知っているボイムラーは、ナンバーワンやスポック、パイク艦長に会えたことで興奮するが、パイク艦長達は予想外の未来からの訪問客に戸惑うばかりだった。

そのポータルに対してオリオン人も目をつけていた。24世紀では和解が進んでいた連邦とオリオン人の関係も、23世紀ではオリオン人は海賊、という認識が連邦にはあった。対立するエンタープライズとオリオン人は、オリオン人がポータルを持ち去り、ワープで行方をくらませたことで事態は深刻になる。

しかし、ボイムラーは24世紀の技術を使って、オリオン人の船の位置を特定し、エンタープライズをオリオンの船と接触させる。もちろん、歴史を変えないためにパイク艦長達には24世紀の技術には目を瞑るよう説得しての話ではあった。

オリオン人との交渉の結果、エンタープライズが他の惑星への救援のために貯蔵していた穀物との引き換えで、ポータルを取り戻すことができた。それを持ってボイムラーを24世紀に送り返そうとするのだが、ポータルが動作した時になんとボイムラーを救助するべくマリナーが23世紀にやってきてしまった。

ポータルを動作させるためのホロニウムという物質は残量が0になり、ボイムラーとマリナーを24世紀に送り返す手段がなくなってしまったのであるが、マリナーは陽気に事態に対処し、ボイムラーとともに24世紀に帰る手段をパイク艦長達に伝えることになる。

感想

今回のエピソードはかなり爆笑ものの展開だった。スター・トレック・ファンならば鑑賞しているはずの「スター・トレック:ローワー・デッキ」の主要キャラ、ボイムラーとマリナーが24世紀の世界からパイク艦長達が活躍する23世紀にタイムトラベルをしてしまい、エンタープライズを混乱に陥れるギャグ展開の話になっているからである。

普段は真面目な展開の「スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド」だが、「スター・トレック:ローワー・デッキ」の主役2人がゲストで登場することで、シリーズの設定の違いによるギャップが笑いを生み出す効果を挙げていて、腹を抱えて笑えるシーンが多かった。

「スター・トレック:ローワー・デッキ」はアニメなので、なんと物語冒頭は16:9のフルスクリーンでアニメで物語が始まり、ポータルで過去にタイムトラベルしたボイムラーとマリナーは、エンタープライズ艦内では実写の俳優さんが演じるという辻褄合わせの部分が上手い設定になっている。オープニング・クレジットも今回だけアニメで制作されているし、ラストもエンタープライズの艦内がアニメ化されるという凝りようである。

話としては過去のエンタープライズの活躍を知っているボイムラーとマリナーが実際に過去のエンタープライズにタイムトラベルを起こし、実物の人物と出会うことで真相を知っていく、という展開なのである意味王道な展開ではあるものの、ジェネレーション・ギャップがすごくて、本当面白い。

また、24世紀に戻ろうと悪戦苦闘するボイムラーとマリナーの二人が気づいた方法について、「スター・トレック:エンタープライズ」のアーチャー船長やNX-01のことなどにも言及しているのは、知っている人にはかなりおかしい話である。知らない人でもそれなりには楽しめるとは思うが、シリーズを見続けている人向けのサービス・エピソードだと思う。

長い歴史をもつ「スター・トレック」だからこそできるストーリー展開に、楽しませてもらった感覚である。

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