YouTubeで映画「戦雲(いくさふむ)」の意図を見聞きして衝撃を受ける

昨晩、夕食後にYouTubeをテレビで見ていた。日曜日にYouTubeを見ることは少ないのだが、ラジオがつまらないので、YouTubeを見ることにした。

いくつかの動画を見ていたところ、19:30からライブでArc Timesの報道番組があり、この16日から東京で劇場公開されたドキュメンタリー映画「戦雲(いくさふむ)」」の監督である三上智恵氏を招いてのトークショーが配信されていた。

以前のブログで「抑圧される沖縄を描いた映画が相次いで公開」というタイトルでこの「戦雲」の予告編紹介と、自分の考えを表明していたので、気になって配信トークショーを見てしまった。30分ぐらいで配信が終了するのかな、と思っていたのだが、実際は1時間12分の間配信していて、しかも僕としては目の離せない内容だったので、最初はベッドに寝っ転がって視聴していたところが、途中から椅子に座ってきちんと試聴する有様だった。

監督の三上智恵氏の経歴に関して僕は詳しくはない。ただ、元テレビ局の報道関係者だったことと、現在はフリージャーナリストであることは認識している。

その三上智恵氏をゲストに招いて、ジャニーズ性加害問題の記者会見で厳しいツッコミを入れて世間から批判を浴びた望月衣塑子氏や緒方聡彦氏がホストを務めるという構成で話は進んでいった。個人的には望月衣塑子氏のスタンスは嫌いではない。やり過ぎ感のある方だが、今のマスメディアが権力に屈している中では結構貴重な存在の方ではないかなと思っている。なので、望月衣塑子氏の意見は拝聴に値すると思っている。

三上智恵氏の映画の意図や沖縄、特に先島諸島で今、何が起きているのかを語る部分は衝撃であったし、昨年僕は与那国島まで観光に行っていながら、一体何を見てきたのだろう? と自問せざるを得なかった。確かに与那国空港での自衛隊のヘリが離着陸する場面を見て、僕の内心としては「こんな離島で軍事訓練かよ」というつもりで離発着シーンをiPhoneで撮影して、YouTubeに掲載した。実際はそういう僕の内心の意図とは違った方向で視聴された感はある。ただ、単なる観光だけでなく、与那国島が置かれている現実をもっとiPhoneで撮影しても良かったのでは? という気は昨晩のライブ配信を見ていて思った。一般人が入ることのできない自衛隊の基地を目の前で見ているのだから。

前にブログで書いたように、もし台湾有事が起きれば沖縄を防波堤にして日本本土が安全、なんてことは考えていないし、台湾有事が起こったら日本全土が戦場になると個人的に思っているが、三上智恵氏からはっきりそれを言われると、やはり衝撃的である。前に中洲大洋劇場で鑑賞した「沖縄狂想曲」というドキュメンタリーでも沖縄に住む当事者の方々から同じ見解を述べるシーンがあったと記憶している。

昨晩のライブ配信を見てしまうと、三神智恵氏のドキュメンタリー「戦雲」もぜひ見たいと思うのだが、ここ福岡では上映開始日が3月29日で、なんと物議を醸し出しているオスカー7部門受賞の大作「オッペンハイマー」の上映開始日とぶつかってしまっているので、「オッペンハイマー」に取り憑かれている僕としては、悩ましい状態に置かれている。「戦雲」は時間未定ながら三上智恵氏の舞台挨拶が30日にあるという話も聞いている。来週火曜日の夕方以降に「オッペンハイマー」と「戦雲」の上映スケジュールが発表になるので、そのスケジュール次第で見に行くか諦めるか、決めたいとは思っているが、僕の中では「オッペンハイマー」が描く世界と「戦雲」が描く世界は地続きであるという認識である。

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