先々週、中居正広が女性との性加害をめぐるトラブルについて釈明文を出した。この内容に対し、「おかしい」との見解を持った。
その後も事件は収束するどころか悪化の一途をたどっている。先週の金曜日には、この事件への関与が疑われていたフジテレビの社長がようやく記者会見を開いた。しかし、この記者会見は極めて閉鎖的なものだった。記者クラブ所属の記者のみが参加を許され、他局は各局一人ずつしか参加できない上、発言権すら与えられなかった。また、ネットメディアやフリーランスの記者は締め出され、カメラ撮影も禁止されていた。結果として、社長が一方的に言い分を述べ、質問には逃げ腰で対応しただけの内容となり、大きな批判を招くことになった。
この記者会見を受け、スポンサー各社は次々とCM提供を一時的に中止し、現在では10社以上が提供を停止している。そのため、放送枠はACジャパンのCMに置き換わるという異常事態となっている。
記者会見の内容をネット経由で確認したが、やはりフジテレビの対応には違和感を覚える。事件そのものがフジテレビの関与を疑わせ、マスメディアへの不信感を助長しているにもかかわらず、それを払拭するどころか、逆に不信感を強める結果となっているからだ。
フジテレビの社長をはじめとする幹部たちは、この問題を穏便に収め、世間が忘れるのを待とうとしているようにすら見える。しかし、ジャニーズ性加害問題におけるマスメディアへの不信感が解消されない中で、今回のフジテレビの対応のまずさは、さらにメディアへの不信感を深めるだけである。そして、「オールド・メディア」として揶揄されるマスメディアの立場を固めてしまう結果にもなりかねない。
もちろん、ネットメディアが常に正義だとは思っていない。しかし、今回のフジテレビの対応を見る限り、現在のマスメディアがまともに機能していないのは明らかだ。他のテレビ局も同様の問題を抱えているのではないかという疑念さえ抱かざるを得ない。
この事件の落とし所がどこにあるのかはまだ見えないが、フジテレビが窮地に立たされているのは確実だと言える。
コメント