松下幸之助は「売りたい価格」を認めなかった

ソースは、東洋経済オンライン。1974年のことだから随分前になる。このとき松下電器のテレビの事業部は新製品のテレビを開発して、松下幸之助にプレゼンテーションを行ったそうである。そのプレゼンテーションは、機能的には松下幸之助を納得させるものがあったそうであるが、価格を聞いたとき、事業部長や役員は「18万円で売りたいと考えています」と言ったそうである。そして、その「18万円」の理由をとうとうと述べたそうであるが、松下幸之助は納得しなかったらしい。で、お茶を汲みにきた女子社員に性能のことをいろいろ質問した挙句に、「あんたならいくらでこの製品を買う?」と尋ねたとのこと。その手前までは女子社員も言葉を濁してなんとか対応できたらしいが、さすがに値段のことを聞かれて「12万ぐらいなら」と答えざるを得なかったらしい。そうしたら、松下幸之助は、「お客さんのことを考えて値付けをしなければならないな」と言い放ったということである。この記事を読んで、ちょっと考えさせられた。今の時代、こういうものづくりをしている企業は少ないのではないかと思う。もちろん松下電器の今の姿であるパナソニック株式会社ですら、できていないと言えるようにも思う。僕も仕事で、製品の価格に触れる機会が多いから、新製品がいくらかは気になるところがあるが、こういう観点で物を見ていることは少ない。今後、もう少し考えてみたいと思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました