福井晴敏「虹の彼方に(下)」機動戦士ガンダムUC 10

大長編小説「機動戦士ガンダムUC」もついに最終巻。ラプラスの箱の秘密がついに明らかになり、ニュータイプとは何かという根源的な問に福井なりの解釈が加えられている。そしてブライト再登場、コロニーレーザーの登場、フル・フロンタルの正体が明らかになるのとバナージ対フル・フロンタルの最終決戦と見所が多い。コロニーレーザーの攻撃を避けようとするバナージのサイコフレームの使い方には、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の影響がありありと伺えるし、これまでのガンダム(富野監督のに限る)の総決算のような内容になっている。バナージの行方がどうなるかはハラハラさせられたが、最後は大団円で、ホッとした。少なくとも「逆襲のシャア」のようなラストではないので、希望に満ち溢れていると思う。ガンダムオタクを称する福井の筆は結構乗っていたと思う。長いのを除けばいつもの福井節+ガンダムの世界観といったところか。

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