物語が佳境に入ってきて、再び宇宙を舞台にしたストーリーが展開されるこの第8巻。ラプラスの箱の最終設置場所が明らかになるが、物語の主題は一旦は協力関係にあったガランシェール隊とネェル・アーガマでの互いの主義の違いから来るネェル・アーガマの制圧と、フル・フロンタルの真の目的が明らかになる点だろうか。ガランシェール隊のジンネマンの心の苦しみが克明に描かれていて、物語の中心人物としての位置づけが明確にされている。そしてオードリーの立ち振る舞いがまた物語を進行させる大きな要因として、重要な立場を担っている。これまでは1巻ごとにたいてい大規模な戦闘シーンがあったが、今作ではそれは小さくとどまり、ネェル・アーガマ奪還作戦がストーリーの後半を占めている。残り2巻でどう物語は完結していくのか、登場人物の行方はどうか、色々気になる展開である。
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