スター・トレック:ピカード 第3シーズン第9話「声」

あらすじ

かつてのピカードの部下が全員集合した後、ディアナは幻覚を見るジャックの心の中に入り、ジャックが見ている蔦や赤い扉の先に何があるのかを探っていた。ディアナが見たのは、なんとボーグだった。ラフォージが調査したところ、昔、ピカードがボーグに拉致されてロキュータスとしてボーグの一員になり、惑星連邦に攻撃を仕掛けていた時のピカード救出劇で、ピカードからはボーグのインプラントは完全に除去したはずだったが、実は遺伝子レベルでボーグの遺伝子に書き換えられていて、その遺伝子は眠ったままジャックにも引き継がれていたのだった。そして、ジャックにはボーグの人を操る能力を遺伝子レベルで行える、ということが判明した。ピカードの遺伝子も転送装置のデータ簡略化のために情報として取り込まれており、艦隊が転送装置を使うたびに乗組員の遺伝子にボーグの情報に書き換わる仕掛けになっていた。ジャックはタイタンを飛び出し、シャトルで宇宙を彷徨うが、彷徨った先でボーグに出会い、立場を難しくさせる。可変種が狙っていたのは、ボーグと手を組んでフロンティア・デーで惑星連邦の艦隊を同化する、というものだった。タイタンは艦隊から狙われているのを承知でフロンティア・デーの艦隊集結の中に飛び込み、警告を発しようとするが、時すでに遅く、艦隊の若者たちはボーグに同化され、艦隊はボーグの手に落ちる。幸いなことにボーグの遺伝子による同化は脳の発育の止まる25歳以下の若者だけに限られていたので、ピカードたちは同化を免れた。ピカードたちは連邦のシステムに組み込まれていないシャトルで一旦タイタンから脱出しようとするが、同化されたクルーの攻撃を受け、ショー艦長は殉職してしまう。しかし、そのショー艦長の努力もあって、ピカードたちはタイタンから脱出する。脱出したピカードたちは艦隊ミュージアムに移動する。そこには艦隊のシステムに組み込まれていないただ一つの連邦艦が保管されていた。

感想

シリーズ・フィナーレに向けて残り2話でどう話が展開するのか、気になってはいたが、ようやくジャックの真の姿が判明した。なんとなく物語途中から「ボーグに関係あるのかな?」という気もしていたが、連邦最大の敵である可変種とボーグという二大巨塔が登場するとは思いもしなかったので、ジャックがボーグの影響を受けていると判明した時にはかなり驚いた。しかも、それはピカードがかつてボークと相対時たときにボーグに同化され、ボーグの同化から抜け出し、元に戻ったと思ったテレビシリーズのエピソードのその後の展開になっているのは、予想外の展開で、ものすごく興奮した。まさか遺伝子レベルでボーグの情報をピカードもジャックも維持していたとは、脚本のうまさに唸らされるばかりである。そして、可変種の艦隊に対する攻撃がフロンティア・デーで実施されるのだが、そこでエンタープライズFが登場し、艦長がシェルビー提督というのも、なんかテレビシリーズの脇役キャラ再登場みたいで感慨深い。シェルビーは記憶に間違いがなければ、ボーグと相対時たときのボーグに対するエキスパートではなかったかと思う。ライカーと当時揉めていた記憶がある。可変種の目論見通り、艦隊はボーグの手に落ちるのだが、ボーグの同化が25歳以下の艦隊の若者に限られているというのも説得力がある。そして、いい味出していたタイタンの艦長、ショーが殉職するのは寂しい限りである。物語はラスト1話を残すのみとなったが、このエピソードのラストで予想外の宇宙艦が登場し、涙を誘う。なぜなら、この船はすでに昔の映画シリーズで大破して使えなくなった船だからである。その船が復活して最後の反撃に出るところで次回に続く、となるので、シーズンおよびシリーズ・フィナーレである次回がどうまとめてくるのか、興味は尽きない。

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