映画「哀れなるものたち」(Apple TV 4K/Disney+/4K UHD)

レビューの詳細は、哀れなるものたち(4K UHD/Disney+)|Apple TVで観た映画のレビューを参照のこと。

今年のアカデミー賞レースでこの「哀れなるものたち」の存在は知ってはいたが、今日まで見ることはなかった。上映時間が141分と長い、というのが理由の一つである。朝、アイスコーヒーを2杯飲むと、映画を見ている最中にトイレが近くなるので、2時間を超える映画は敬遠する傾向にあった。

ただ、昨晩は久しぶりに8時間を超える睡眠が確保できて結構体調が良かったのと、今年の5月に「ザ・ビートルズ:Let It Be」を見て以来、Disney+で映画やドラマを見る機会がなく、視聴料を無駄に支払っていたので、「今日はDisney+で映画を見るぞ」という気にはなっていた。Disney+で見たい映画はというと、この「哀れなるものたち」か「ザ・クリエイター/創造者」だったのだが、「ザ・クリエイター/創造者」はIMAXシアターで一度は見ているので、見たことのない「哀れなるものたち」を優先した。

話には聞いていたが、この映画におけるエマ・ストーンの体当たりセックスシーンとヌードシーンの多さにはびっくりである。思わずポルノ映画か?と思わせるぐらいにセックスシーンもヌードシーンも多い。エマ・ストーンの下半身はしっかり見えているし、相手の男性器もしっかり見えてしまうので、結構欲情してしまう映画ではある。

それでも単なるポルノ映画ではなく、自立した女性への成長を描いたドラマとしてきちんと成立しているので、その辺は興味深い演出にはなっている。エマ・ストーン演じるベラという女性は体は成人女性なのだが、知能が子供というアンバランスな状態から物語はスタートするので、それがどう調和をとっていくのかに関心を寄せることができる。

そして、ベラを取り巻く環境や、ベラがなんで成人女性の体に子供の知能になったのかが、物語クライマックスで全容が明らかにされ、エンディングのオチと言い、唖然とする内容になっている。アカデミー賞好みの内容だよね、と納得の出来である。

映像は4K/DOLBY VISIONで配信されている。実はこの映画、4K UHD Blu-rayのリリースはなくて、ただのBlu-rayしかリリースされていないので、クオリティの高い映像を望むと、Disney+の配信で楽しむしか方法がなくなるのである。撮影にはコダックのフィルムを使ったこともあり、解像度はかなり高く、映像は鮮明である。DOLBY VISIONによる色彩管理も、物語冒頭はモノクロのシーンが続き、画面の明るさと暗さの表現だけで最後までいくのかと思いきや、ベラが旅に出るあたりからカラーになって、鮮やかな色調になるのでそこが見どころである。カラーのシーンも意図的に原色を強調したカラリゼーションになっているので、一種のファンタジーとしての印象が強くなる。

音響もDOLBY ATMOSなのは配信だけなので、Blu-rayでは楽しめない。ドラマなのであまりサラウンド感がないのでは、と危惧したのだが、実際は上下方向のサラウンドはあまり効果を感じなかったものの、フロアのサラウンドチャンネルはフルに活用してオブジェクトとしての配置は多彩だし、魅力を感じる音響効果を出している。BGMも意外な場面で低音を含めて唸りを上げるし、ドラマとは思えない音響を提示している。

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