Panasonicの4K液晶テレビ、TH-55LX950でDOLBY VISION IQの画像が乱れるのは、設定の問題

Apple TV 4Kを買い替えてから、Panasonicの4K液晶テレビ、TH-55LX950で、DOLBY VISION IQとDOLBY VISION ビビッドの画質モードの時に画像が乱れる現象が続いていた。正確にはApple TV 4Kを買い替える前、TH-55LX950にSONYの4K有機ELテレビから買い替えてからずっと発生していたのであるが、引っ越しで忙しかったので、追求しなかった問題ではあった。

最初はDOLBY VISION IQだけの問題かと思っていたのだが、調べたところ、DOLBY VISION ビビッドでも画像乱れは発生することは確認した。DOLBY VISION ダークでは発生していない。

問題切り分けのため、SONYの4K有機ELテレビを使っていた時から使用していたHDMIケーブルを買い替えてみた。これまで使っていたHDMIケーブルは4K信号は通すが、18Gbpsの転送速度なので、HDMI 2.1に対応しておらず、Apple TV 4KのHDMIの規格であるHDMI 2.1を最大限利用できなかったのである。買い替えたHDMIケーブルは、ELECOMのHDMI 2.1規格の48Gbps対応で、しかもDOLBY VISION対応と謳っていた。これを2本購入し、Apple TV 4KとマランツのAVアンプ、CINEMA 70sの間と、CINEMA 70sとテレビの間を繋いだ。しかし、画像乱れは解消しなかった。

先日は、Panasonicのサービスマンに出張していただいて、TH-55LX950のメイン基盤を交換してもらった。TH-55LX950は買ってまだ半年しか経過していないので、1年保証で修理代はタダだったが、やはり画像乱れは解消しなかった。

一昨日、HDMIケーブルをさらにApple TV 4Kに適したケーブルにしようと、Apple製品のサードパーティ製品を作っているBelkinのHDMIケーブルを2本購入した。幸いなことに、ヨドバシカメラで注文したので、ポイントが余っていたのでポイントを全額投入した。実質タダで買ったことになる。BelkinのHDMIケーブルもHDMI 2.1規格の48Gbps対応で、DOLBY VISION対応を謳っている。

昨晩、そのBelkinのHDMIケーブルが届いたので、Apple TV 4KとマランツのAVアンプ、CINEMA 70sの間と、CINEMA 70sとテレビの間をこのケーブルに差し替えた。そればかりか、他のAV機器のHDMIケーブルも変更しようと、4K UHD Blu-ray PlayerとCINEMA 70sの間と、レーザーディスクのコンポジット信号をHDMI信号に変換するアダプターとCINEMA 70sの間に、ELECOMのHDMIケーブルを流用し、テレビゲーム機のNEO GEO miniとCINEMA 70sの間は、レーザーディスクのコンポジット信号をHDMI信号に変換するアダプターとCINEMA 70sの間に使っていたHDMI 2.0規格の18Gbps対応のケーブルに入れ替えた。

すると、なんとホームシアターのHDMI CECコントロールと、テレビの信号をAVアンプに戻すARCの機能が死んでしまったのである。昨晩、少し足掻いたが、解決しそうにないので、途中で放置して寝てしまった。

今朝、設定をやり直そうとテレビをつけたところ、HDMI CECコントロールと、ARCの機能が復活していた。しかし、DOLBY VISION IQの画像はApple TV 4Kの時だけ乱れる状況は続いていた。

そこで、もう一回、HDMI CECのリセットをし直そうと考えた。それでHDMI CECのリセット方法を調べたところ、次の方法がわかった。

  1. テレビのビエラリンクをオフにする。
  2. 全てのAV機器の電源をオフにして、コンセントから外す。
  3. 全てのAV機器のHDMIケーブルをテレビに近い方を全て外す。(AVアンプに接続してあるAV機器は、AVアンプ側のHDMIをはずす)
  4. 10分程度放置する。
  5. 最初にテレビとAVアンプのHDMIを繋いで、両方のコンセントを入れ、テレビの電源を入れて、テレビのビエラリンクをオンにする。
  6. AVアンプがHDMI CECでコントロールできることと、ARCが有効になることを確認し、またテレビとAVアンプの電源を切る。
  7. その後は、AV機器をAVアンプに1つずつHDMI接続し、コンセントを指して、電源を入れ、映像、音声の確認と、HDMI CECがコントロールできることを確認する。

このようにして、ホームシアターのHDMI CECをリセットして再構築したのだが、その方法を調べているときにPanasonicのDOLBY VISION IQにおける問題が英語で見つかった。英語のフォーラムで同じ機種ではないが、発売時期が似ているテレビで、DOLBY VISION IQの設定に問題があり、映像に乱れが生じる、と言う記述があったのである。その解決方法は、DOLBY VISION ダークモードを使うか、DOLBY VISION ビビッドの設定を変えることである程度妥協できる解決にはなる、とあった。それで、そのフォーラムに書かれていた設定をもとに、TH -55LX950のDOLBY VISION ビビッドの設定を以下のように変えたところ、DOLBY VISION ビビッドでも画像乱れは発生しなくなった。

Dolby Vision ビビッドの設定

  • バックライト:70
  • ピクチャー:50
  • シャープネス:30
  • 色温度:低2
  • NR:オフ
  • HDオプティマイザー:オフ
  • リマスター超解像度:オフ
  • Wスピード設定-Wスピード:オフ

上から4つの項目は、画面の明るさとか色合いの調整なので、画像乱れとは直接の関係はないが、この辺りの設定に変えておくと、変にどぎつい画質にならなくて済むと思う。多分、画像乱れに関係する設定は下4つの項目であろうと思われる。DOLBY VISION IQではこの項目は変更できず、DOLBY VISION ダークも上記設定と同じである。

おそらくだが、DOLBY VISION IQの実装自体にバグがあるのではないかと思われる。なので、テレビのメイン基盤を交換しても直らないし、Apple TV 4Kの不具合ではなく、そして、HDMIケーブルの問題でもないと思われる。HDMIケーブルはSONYの有機ELテレビを使っていた時からの古い規格ケーブルを流用したので、このトラブルシューティングのためにHDMI 2.1/48Gbpsのケーブルに変えたのは、無駄ではなかったとは思っている。なお、4K UHD Blu-ray PlayerはDOLBY VISION対応だが、HDMI 2.0までしか対応していないので、DOLBY VISION IQモードでも問題は発生しなかった。

DOLBY VISION IQ自体はテレビ周囲の環境光に応じて画質を変えるモードなので、このDOLBY VISION IQ自体の実装にバグがあると、気軽に使いづらい面もあるが、DOLBY VISION ビビッドの設定を変更したのと、DOLBY VISION ダークがあるので、平日にテレビを見る時にはDOLBY VISION ビビッド、休日に暗い部屋で映画を見る時にはDOLBY VISION ダークに切り替える手間さえ惜しまなければ、一応問題は対処法ではあるが解決と言えるだろう。

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