映画「この世界の片隅に」ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13

映画の公開開始前から、インターネットで今話題の「君の名は」より傑作だ、という評判を受けていたこの「この世界の片隅に」。主役のすずの声を演じた能年玲奈改め「のん」の声の演技も相まって、かなり話題になっていた。本日、この「この世界の片隅に」を鑑賞したのだが、素晴らしい出来の映画だった。映画の舞台は太平洋戦争末期の広島、呉。ここに嫁いできた主人公すずの何気ない日常が描かれているのが、この映画の特徴である。もちろん、戦争が絡むので、何気ない日常は、次第に崩れて行くのだが、様々な事件が起こりながらも、健気に生きて行くすずのありように、心打たれるものがある。呉が舞台なので、広島の原爆に対する描写が少ないところも、この映画をインパクトを与えるものになっている。ストーリーは、すずと彼女を取り巻く人々の生き様を中心に描き、彼女の周囲の人々は、あまり死なずに生き延びるところも、作品を印象付けるものがある。もちろん、全員が生き延びるものではないし、すず自身が無傷なわけでもない。それでも呉という軍のある街でのありふれた生活は、世界の片隅でも、ドラマがあることがわかる。小規模公開のため、観客動員の面では不利な映画だが、見る価値のある作品である。

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